スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

マーケティングブロガーズ.jpに見る読者・執筆者・出版社の三方よし

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20071122/287763/ より転記

 アイ・エム・プレスの西村道子社長が始めた「マーケターのための情報共有コミュニティ」マーケティングブロガーズ.jpは参考になります。簡便なブログコミュニティを安価に構築して,読者,執筆者,出版社のニーズを満たす「三方よし」を実現しているからです。

 マーケターのための…,とありますが,企業の情報部門担当者が「ICT(情報通信技術)技術をいかにマーケティングに生かすか」その最新動向を無料でお手軽にチェックするのにも最適です。

 加えて,ローコストで手間をかけずに「関連情報を集め,整理し,発信する仕組み+運用体制」は,出版社に限らず多くの企業の参考になるでしょう。

「インターネット時代の顧客づくりを活性化」を自ら実践

 もともと同社は定期購読誌「アイ・エム・プレス」を発行する社員10名の専門出版社です。この雑誌のモットーは「インターネット時代の顧客づくりを活性化する」ことです。例えば最新号の特集は「『ケータイ通販』成功の法則」でした。

 たしかに,今「生涯にわたるお客様との良いご縁」を結ぼうとしたら,インターネットを活用したICT技術は必要不可欠でしょう。CRM (Customer Relationship Management),One to Oneマーケティング,IMC(Integrated Marketing Communication)など耳慣れない用語や,最新技術が次々に出ては消えますが基本は変わりません。

 お客様が「欲しい時に,欲しい情報を,欲しい形で,欲しいだけ,無料で,簡便に」手に入れられることが不変の潮流です。そして,情報を受け取った時「いつでも大いに感動」して,「この商品とサービスは生涯ここにお願いしよう」と心に刻んでいただけることこそが目指すべきゴールなのです。

 同社が企業理念に「人間中心主義」を掲げるのも,ただ最新技術を「企業の効率化」のためだけに使ったのでは「お客様を感動させられない」ことをよく知っているからでしょう。

 逆に,うまく企画と運用さえできれば,以前では考えられないほどローコストで簡便に,お客様向けのICTサービスを提供することもできます。マーケティングブロガーズ.jpは,アイ・エム・プレス自身が「小さな出版社であってもどこまでできるか」を実践するブログポータルなのです。

登録ブロガーの情報を自動収集,整理して表示

 システム担当者が,マーケティングブロガーズ.jpを見れば,すぐその仕組みを理解できるでしょう。ブログのコミュニティといっても,同サイトがブログやASP(Application Service Provider)サービスを提供しているわけではありません。独自のブログを立ち上げたり,お好きなブログASPサービスを活用して,既に活躍しているブロガーの記事をここに自動的に集める仕組みを活用しているのです。

 トップページの右上にある「マーケティングブロガー募集」のコーナーには,「本サイトの利用にあたっては,「Pingoo!」の会員登録が必要となります」と明記されています。つまり,登録したブロガーが記事を更新した時に「Pingoo!」に送られるPing情報に基づいて,このサイトに情報を取込まれるわけです。

 もちろん,誰にでも登録を許しては「サイトの品格」に関わりますので事前に審査があります。カテゴリーでの分類はブロガーの自主登録で行っています。カテゴリーとブログURLだけの簡単な登録手続きを踏むだけで,登録ブロガーが今後更新する全記事は,マーケティングブロガーズ.jpにも新着記事として一覧表示されるようになるのです。そして,人気があれば,合わせてランキングにも表示されます。

 さらに,トップページでは,今後の雑誌特集テーマなどに合わせた毎月の問いかけがあります。例えば,今月は「米国で再認識されているSEO(Search Engine Optimization)は日本ではどうなるのか?」というテーマが投げかけられています。

 通常,こうした問答は,問いかけをしたブログ記事へのトラックバックで行われます。しかし,このサイトでは違います。今回なら「キーワード: Pay-Per-Click,SEO,SEM,検索エンジン最適化,検索エンジンマーケティング,キーワード連動。上記のキーワードを入れて」とブログを書けば,自動的に「今月のテーマを見る」のコーナーに掲載されるのです。つまり,ブログを書く際,題名や記事に「指定キーワード」を盛り込むだけで,気軽に投稿ができるわけです。

 もちろん,著名ブロガーやコラムニストの定番ブログは一定の位置に表示されます。これは当サイトの方向性,雑誌との連動性,さらには品格を保つのに役立つでしょう。

社長自らブログを書き,取材先,執筆者訪問で参加呼びかけ

 私がこのサイトを知ったのは,アイ・エム・プレス本誌で弊社(久米繊維工業)をご紹介いただいた後,セミナー講師の依頼で,西村道子社長が来社された時でした。

 驚いたことに,西村社長は,会社の名刺と一緒に「通勤電車」と名付けられた社長ブログの題名とURLが大書された「ブロガー名刺」を差し出されたのです。

 ブロガー名刺をお持ちの社長も珍しいのですが,さらに出版社の経営者で雑誌の発行人が「積極的ブロガー」と知って感銘を受けました。なぜなら,出版社にとってブログは「目の上のたんこぶ」にも等しいからです。

 ブロガー名刺をきっかけにして社長ブログのお話になった後,新設したマーケティングブロガーズ.jpに対する思いをお聞きしました。ブログの効能も怖さも社長ブログで実体験しての発言ですから,やはり迫力が違います。画期的な試みでありながら「小さな会社でもできること」から始めるとの謙虚な説明を受ければ,きっと応援したくなる人も多いのではないでしょうか。

 応援と言っても,別に難しいことではありません。ブログを既に書き続けている人であれば,このサイトに登録するだけで良いからです。そして,自身のブログでマーケティングブロガーズ.jpや西村社長のブログのことをご紹介すれば良いでしょう。

 西村社長が実践されているように,面と向かって信頼関係を築いた人とネットワークを結ぶことが,旧式で遠回りのように見えて,実は一番長続きするのです。私も「縁尋奇妙」というメールマガジンを10年近く発行していますが,結局のところ「面識のある縁者と長くおつきあいする」というのがネット活用の主目的だと感じています。

 西村社長は,雑誌に登場された取材先や執筆者を訪ね歩きながら,こうした縁をひとつずつネットで結んでいるのです。だからこそ,読者よし,執筆者よし,出版社よしの三方よしモデルを考案できたのでしょう

読者よし:無料で好きな時に選ばれた情報の中から読める

 例えば,情報システム部門担当者の多くは,情報収集とスキルアップのために,システム関連の専門雑誌を会社で,あるいは個人で定期購読していることでしょう。ただし,アイ・エム・プレスで扱うようなマーケティング等のシステム業際の知識については,まだ「空白域」が大きいかもしれません。

 もちろん,こうした将来重要になる領域についても学ぶべく,定期購読ができれば一番良いでしょう。しかし,まだ,その予算と具体的なニーズが無い場合には「無料で好きな時に小分けで読めるネットコラムやブログ情報」が役立ちます。

 そして,数あるブログの中から正確で示唆に富んだ記事を探す時にも,総合ブログポータルや検索エンジンよりも,マーケティングブロガーズ.jpのような専門サイトの方が便利です。見識のある出版社が選んだ執筆陣,公募された中で選ばれた執筆陣が書いた記事が並ぶからです。

 また,テーマ別の問いかけについて横断的に識者の意見を一覧できることや,人気サイトを効率的に覗(のぞ)き見できることも読者にとっては魅力です。

執筆者よし:個人ブログをより多くの読者と出版社&企業にPR

 また,既にブログで情報発信をしている執筆者,経営者にとっても,この仕組みは魅力的です。追加コストも,作業の手間もなしに,自分の書いたブログ記事を見てもらえる機会が増えるからです。一度,事前登録さえすれば,「今まで通り」にブログを書き続けるだけで良いのです。わざわざ,複数のブログを運営する必要もありません。テーマ投稿も,そのキーワードを折り込むだけでよいので簡単です。

 しかも,記事の題名が表示される場は,誰もが情報発信できる場ではありません。専門雑誌を発行する出版社が運営する,執筆者審査付きのブログなのです。つまり,良質な場所で,良質な読者を見つけて,ご自身のPRとブランディングができるわけです。

 もちろん,ただ読者数やアクセス数を稼ぐのであれば,別の選択肢もあるでしょう。しかし,マーケティングブロガーズ.jpの読者は,ICTやマーケティングに深い関心がある実務者か専門家,あるいは出版社の編集者です。少数精鋭の濃い読者を得るには向いているでしょう。

出版社よし:新読者獲得+既存読者・執筆者とのCRM

 出版社の目的は,最終的には「新読者の獲得」です。ブログ読者が増えて,いずれはアイ・エム・プレスの定期購読者になってくれれば最高でしょう。また,定期購読までいかなくとも,主催するセミナーなどに参加してくれる可能性も高まるはずです。

 目的はそれだけではありません。既存の定期購読者が,ブログも合わせて愛読してくれれば,定期購読のリピート率も高まるでしょう。雑誌ではカバーできない生々しい未加工情報がブログにはあります。その一方で,整理して読みやすい情報が雑誌に網羅されていて,相互に補完されるからです。いわば,マーケティングブロガーズ.jpは「同誌が提唱するCRMの仕組み」そのものでもあります。

 また,出版社にとって執筆者や経営者との関係継続と強化も欠かせません。ブログ記事自体には原稿料こそ支払えなくても,マーケティングブロガーズ.jpに書くメリットを感じてくれれば,次回の取材,執筆,セミナー講師の依頼もスムーズになるはずです。

理想は,毎日ひとつ社長厳選情報がコメントつきで届くこと

 西村社長の言葉によれば,この新サイト自体,なるべくお金も手間もかけずに運営しているとのことでした。

 しかし,西村社長はじめ編集スタッフが,もう一手間をかけると,このサイトの価値が大いに高まるはずです。それは,編集スタッフが数ある更新記事の中から「毎日1記事を厳選」して「コメントつきで紹介」する「今日のマーケティングブロガーズ.jp」メールマガジン&ブログの配信です。

 毎日,この1通を読むだけで「インターネット時代の顧客づくり」の最新情報や原理原則が学べるとあれば,私なら真っ先に登録するでしょう。いわば,編集スタッフが,眼力があってトレンドも読めるブログジョッキーの機能を持つわけです。

 そのためだけに労力を裂くのは大変ですが,これが雑誌編集やセミナー企画と連動するとあれば,追加の労力は知れているはずです。さらに,編集部メルマガやブログが人気を博せば,その中に最新号の中吊りチラシや最新セミナー情報を盛込んでPRまでできるのですから,一挙両得で効率的なのです。

 今回は,出版社を例に取りましたが,こうしたブログ結集サイトの構築は,多くの企業に役立つはずです。およそ専門情報の発信で「新規顧客の獲得」と「既存顧客との関係強化」を考える企業なら検討に値するでしょう。そして,これこそ,マーケター主導というより,情報部門から経営層に提言すべき新しい仕組みだと思うのです。
スポンサーサイト

comment

Secret

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。